市川太郎 ダイアローグの会主宰者・横川和夫編著『荒廃のカルテ』取材協力者・控訴審裁判(803号法廷)傍聴者
中村義之 「荒廃のカルテ」事件の元施設職員・元障害者施設施設長・現ライブカフェ店長・コメンテーター協力参加
参考文献:横川和夫編著『荒廃のカルテ 少年鑑別番号1589』駒草出版、2012
2019年夏特別企画
「荒廃のカルテ』事件に学ぶ
はじめに市川が執筆した「荒廃のカルテ事件(1983年4月)女子大生強姦殺人事件の概要」を用いて、事件の概要を概説した。事件の「事実認定」から「少年修(仮称)の要保護性-生い立ちの整理」、施設退所後から社会生活へ、そして殺人事件まで」の解説があった。
その上で少年修の4つのライフステージ(①施設入所前②施設入所痔③施設生活④施設退所後の社会生活)を分析。そのキーワードは①人生のマイナススタート②愛されず甘えが封殺された乳幼児期③母子関係愛着不全④体罰・被虐待・イジメ・リンチなどの過酷な被害体験⑤「強いられた自立」⑥対女性との関係形成不全=母性欠如⑦社会復帰を拒む社会的孤立問題などがある。
総合所見として、当時の劣悪な施設ケア水準、体罰容認という遅れた施設養護方針、過酷な被害体験から殺人という加害行為への典型的転換事件であるとした。
中村氏はホワイトボードに当時の施設配置図を示して「反省室」の存在や「部屋長制度」による子ども管理の実態を報告。さらに入所児童からの暴力被害女性職員の現場に直面し、敢えて体罰行使の実践を公開。自身の退職騒動に追い込まれた実態を報告。会場に衝撃が走った。
また当時の職員集団が「組合員対非組合員」との対立構造や宗教団体「勝共連合」の信者投入による分断統治の人事政策も報告された。
午後は中村氏の提案によって市川が作成した「文章完成法性格検査」によるワークショップを実施し、当事者心理理解に迫る講評を得た。